【報告】学習会「困ったことに対応するために」
令和5年2月10日(金)地域福祉施設「ちどり」に於いて学習会を行いました。コロナ禍でもあり、参加団体所属の会員限定で少人数の募集になりました。対面での学習会は3年ぶりで、積雪の予報の中15名の参加がありました。
《重症心身障害児(者)を守る会 谷口さんから》
「川崎市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業」(以下、コミュニケーション支援事業とする)の成立にご尽力された時のことを話していただきました。
「川崎市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業」とは・・・重度の障害がある方を対象に、入院時(精神科病院及び一般病院の精神科病棟を除く)のコミュニケーションを支援する事業。この事業は、意思疎通に支援が必要な場合に「コミュニケーション支援員」を入院先に派遣し、円滑な医療行為が行えるよう、病院スタッフと御本人とのコミュニケーションをサポートするものです。
《当法人の後見部会 志岐さんからの報告》
被後見人が病気で入院しようとしたが、付き添いがないと入院できないといわれた。本人は、落ち着きのない知的障害者です。母親は軽度の認知症を患っており、長期の付き添いは難しい状態であった。コミュニケーション支援事業を利用し、志岐さんと母親とで夜の付き添いをして何とか乗り切った。
このコミュニケーション支援事業は認知度が低く、申請が煩雑で個人での申請は難しい。また、大変だからと退院を早めてくれたが、家に帰ってからの予後も大変だった。
親が元気な時はいいが、高齢であったり、亡くなっていた時の通院や入院支援について考える必要がある。
《助言 大石弁護士より》
・後見人の仕事としては、お医者さんの話を理解して本人に伝えること
・付き添いの必要性としては見守りであり、物理的には制度を利用する
・制度は大勢が利用することで不具合を是正していくことが出来る
・病院が要求していることは、精神的に不安定になったときに落ち着かせること、コミュニケーションが取れること
・社会資源を利用すること、本人を取り巻く人達を集めたチーム作りと相談支援センターや福祉事務所と繋がることが大切
《当会 田部井事務局長より》
コミュニケーション支援事業を周知する必要があり、相談支援センターで書類の書き方を支援してくれるよう、行政へ要望しようと思う。
川崎市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業の御案内はこちら
川崎市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業の流れはこちら
川崎市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業実施要綱はこちら
《成年後見制度について 大石弁護士より》
成年後見制度は本人の意思の尊重を謳っている。情報によって意思表示が変わる。本人が思っていないことを口にすることがある。それらを合わせるように周りが支援する必要がある。