障がいのある人の快適な住まいとは

~シェアハウスをグループホームとして認めて欲しい~

川崎障がい者権利擁護センター 事務局長(元相談支援専門員・グループホーム元臨時世話人)  田部井 恒雄

 国は、2004年から新しく障害者の入所施設を作るための補助金を出さないことになりました。障がいのある人の人権を尊重し、スウェーデンなどの福祉先進国での制度をまねて、自由のない入所施設からグループホームや一人暮らしなどに移っていく「地域移行」を進めるため、とのことでした。しかし、そのグループホームも、気の合わない利用者が一緒に暮らすことがあると、「楽しい生活を送る」ことは難しくなります。職員の支援力や相性、人柄の問題もあります。一人暮らしも、人によっては寂しすぎると感じる場合があります。なお、ワンルームマンションを使ったグループホームは、一人暮らしに近いですので、良い形態だと思います。入所施設の改善はもちろん必要です。

そこで、一つの選択肢として「気の合った人が一緒に暮らすシェアハウス」がグループホームとして認められて、利用料の補助や支援の職員が配置されると、とても安心です。自分で「この友達と住みたい」と言えない人も、日中活動の中でいつもそばにいる人同士は気が合っているのではないか、と思います。しばらく一緒に住んでみて様子を見るというプロセスも含め、試してみる価値があるのではないでしょうか。

ただ、現実を考えると、場所をどう確保するかという事もありますが、宿泊をする仕事に良い職員が来てくれるか、という福祉に共通の問題があります。大きな課題です。